構成要件について調べてみました。


入試が一段落したので、基礎的なことをもう一度振り返りたいと思いました。




構成要件
刑罰法規(条文)に定められた犯罪の類型。罪刑法定主義(憲法31条)の要請にこたえる。




構成要件の機能

1.処罰すべき行為と処罰されない行為とを明確にする機能。自由保障機能。
2.他の犯罪と区別する機能。犯罪個別化機能。
3.違法類型として違法性を推定する機能。違法性推定機能。
4.故意の認識対象を示す機能。故意規制機能。
5.責任類型として有責性を推定する機能。有責性推定機能。(構成要件を有責類型ととらえる立場。犯罪類型の問題とは異なる責任能力などには推定は及ばない。)





構成要件理論
犯罪とは構成要件に該当する違法・有責な行為であるとする理論。





構成要件の意義

一 構成要件は違法性とは無関係な行為類型であるとする説

構成要件該当性→客観的事情をもとに客観的・類型的に判断する。
違法性→客観的事情をもとに客観的・類型的に判断する。
有責性→主観的事情をもとに具体的に行為者を基準に判断する。


二 構成要件は違法な行為類型であるとする説

構成要件該当性→客観的及び主観的事情をもとに客観的・類型的に判断する。
違法性→客観的事情をもとに具体的に判断する。
有責性→主観的事情をもとに具体的に行為者を基準に判断する。


三 構成要件は違法・有責菜行為類型であるとする説

構成要件該当性→客観的及び主観的事情をもとに客観的・類型的に判断する。
違法性→客観的及び主観的事情をもとに客観的・具体的に判断する。
有責性→主観的事情をもとに具体的に行為者を基準に判断する。





構成要件の種類

1.基本的構成要件
刑法の各条文や各種の刑罰法規において、個々的に定められている構成要件。

2.修正された構成要件
未遂犯や予備、行為者の関与形態(共犯)につき修正すべき一般規定によって、基本的構成要件に修正を加えたもの。

3.閉ざされた構成要件
刑罰放棄の構成要件規定上、犯罪要素のすべてが余すことなく示されているもの。殺人罪等。

4.開かれた構成要件
刑罰放棄の構成要件規定には犯罪要素の一部分だけが記述されており、他の部分については、その適用にあたって裁判官によって補充されることが予期されているもの。過失犯(注意義務が規定されていない)、不真正不作為犯(作為義務が記述されていない)等。






構成要件の要素

1.記述的構成要件要素
構成要件要素の存否の判断にあたり、裁判官の認識的活動をもってたりるもの。199条の「人を殺した」等。

2.規範的構成要件要素
構成要件の存否の判断にあたり裁判官の規範的・評価的活動が要求されるもの。235条の「他人の」、174条の「わいせつな行為」等。








刑法総論はわかるようなわからないような…。