ロースクール受験のために司法試験の過去問をやってみたりしています。

やったといっても、ブログやら参考書やら、過去問サイトの抜粋・抜出がほとんどです。著作権に違反しないかちょっと不安です。

でも、きちんとした文章になっているやつがなかなかなかったので、普通の文にしてみました。

勝手にお世話になっているブログ→http://platz.jp/~akane/index.html
よく引用するもの→辰巳の「えんしゅう」
参考書→学校の教科書・ダブスクの教科書





公判手続の基本原則について論ぜよ(刑事訴訟法平成13年第2問)

1 公判手続においては,①当事者主義,②公開主義,③弁論主義,④口頭主義,⑤直接主義が支配する。これらの主な内容は,以下のとおりである。
2 当事者主義
当事者主義とは,事案の解明や証拠の提出に関する主導権を当事者に委ねる原則で,刑訴法は,当事者主義を大幅に取り入れている。
すなわち,刑訴法は,いわゆる起訴状一本主義を採用し(256条4項),捜査と公判を遮断すると共に,訴訟追行の主導権を当事者に委ねている。
具体的には,ア検察官が更生した訴因を審理の対象とする訴因制度を設け(256条,312条),イ証拠調べは原則として当事者の請求によって行うものとし(298条1項),ウ各種の異議申立てを認め(309条,50条,51条),エ証人尋問の方式として交互尋問制を取り入れた(304条)ことなどである。
また,旧刑訴時代の被告人尋問の制度を廃止し,被告人の黙秘権を明定することによって,被告人が当事者であって取調べの客体ではないことを明らかにしたことも,公判手続に当事者主義が採用されたことを示すものである。
もっとも,刑訴法は,裁判所が,被告人の後見的役割を果たし,真実を発見するために,補充的に職権主義も採用しており,例えば,後記4に述べるように,職権主義に根拠を置く規定も設けられている。
3 公開主義
公開主義とは,一般国民に傍聴を許す原則をいう。
この公開主義は,秘密裁判を排し,司法の公正を保障するためのものであり,憲法の要請でもある(憲法37条1項,82条1項)。
裁判所が,裁判官の全員一致で,公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあると判断した場合には,審理に限り非公開で行うことができるが,政治犯罪,出版に関する犯罪又は憲法第3章で保障する国民の権利が問題となっている事件の審理は,常にこれを公開しなければならない(憲法82条2項)。
公開主義は,一方では,被告人を見せ物化したり,証人に圧迫感を与えるなど審理の公正を害するおそれもあることから,傍聴人を合理的な人数に制限することは許され,また,公判廷における写真撮影,録音,録画等も,裁判所の許可が必要とされている(規則215条)。
4 弁論主義
弁論主義とは,当事者の弁論に基づいて審理及び判決をする原則をいう。
刑訴法は,当事者主義を基本としながら,補充的に職権主義を採用しているので,弁論主義は,必ずしも徹底されていない。
すなわち,判決は,原則として当事者の主張及び立証に基づいてなされるが,例外的に,裁判所は当事者の主張の変更を命じ(312条2項),また,職権による証拠調べをすることもできる(298条2項)。
5 口頭主義
口頭主義とは,訴訟資料を口頭で裁判所に提供し,裁判所がこれに基づいて審理及び判決をする原則をいう。
判決は,特別の定めがある場合を除き,口頭弁論に基づいてしなければならず(43条1項),また,公判期日の審理についても,証拠書類の取調べ方法が朗読であること(305条,307条),判決主文と理由の朗読又は理由の要旨の告知(規則35条2項),釈明のための発問(規則208条3項)など,原則として,口頭によって行われる。
また,口頭主義の下では,口頭による訴訟資料の提供を受ける裁判官は同一人でなければならないから,開廷後に裁判官が代わったときに公判手続の更新(規則213条の2各項)が要求される。
6 直接主義
直接主義とは,裁判所が自らの面前で取り調べた証拠のみに基づいて裁判をすべきであるという原則である。
開廷後に裁判官が代わったときに公判手続の更新(規則213条の2各項)が要求されるのは,直接主義の要請によるものである。
以上






今後もたまにやっていきたいと思います。